漢方の考え方をもとにした妊活
当院における妊活の考え方としては、漢方の原点の考え方をもとに治療を行なっています。
西洋医学の妊活の基本は、今の状態でどうやったら妊娠するかを目的にしており、本来患者の持っている力を引き出しているわけではなく、患者自身の妊娠力を上げるというよりは、西洋薬で無理矢理に妊娠しやすくするという考え方ですので、高齢出産を望まれている方にとってはそういった考えも選択肢の一つとして必要だと思います。
東洋医学における考え方は、妊娠することが最終目的ではなく、妊娠を継続して、無事に出産する体力をつけることを目的にしています。
なかなか妊娠しない多くの代表的な症状として、大きく3つのパターンに分類することができます。
多くの女性が経験あるかもしれませんが、
1. 生理時に体調が悪くなったり、痛みを伴ったり、出血量が多くなったりする方や生理周期に乱れがある方!
2. 生理時の出血にレバー状のものが混じっている方!
3. 上2つの症状が両方混在している方
などに大きく分けることができると思います。
2番目に該当する方は比較的に妊娠しやすいですが、1番目3番目に限っては、少し時間が必要になります。
東洋医学の妊娠時期によって漢方や鍼灸のアプローチは違います。
ちょっと専門的になってしまいますが、妊娠期間は一般的に「トツキトオカ」と言われています。
これは妊娠期間もそうなんですが、妊婦における、働く臓器が1月ごとに変わっていきます。
東洋医学における妊娠初期いわゆる1〜2ヶ月目は、肝や胆といった臓器(西洋医学ではこのような概念がありません)が働きます。先ほどの1番目と3番目の方は、東洋医学における、肝や胆を動かすだけの血の力が少ないために中々妊娠に至りません。
そもそも妊娠という言葉を大漢和辞典で調べると「妊」「娠」は同義の文字なので1文字を使えば事が足ります。それを妊娠と重ねていう事を考えれば、この2文字を重ねて初めて本当に孕むということになります。
壬(みずのえ)は北方の水の名で、辰は水神の名になります。ということは、妊は體(からだ)を孕むことで、娠は神を孕むこととなります。すなわち、體と神とを孕んで初めて本当の意味での妊娠になるわけです。
要するに、神様を体に宿らせるだけの体力がなければ、妊娠しないということになります。
2番目だけの方は、妊娠するだけの体力はありますが、胎児が成長していくにつれて、まだレバー状のものが子宮に残っている場合、胎児の成長が阻害されてしまいます。流産や早産する可能性が出てきますので、普段の生理から子宮を綺麗にする治療を行います。
妊娠中期(5ヶ月〜6ヶ月)ぐらいになると、胎児に熱を帯びてきますので、妊婦さんは食欲が増えてきます。この時期ぐらいから段々と妊娠中毒症と診断される方も増えてきます。
この時期からの東洋医学としては、胎児のオーバーヒートを起こさないようにするようなアプローチを行なっていきます。
また、妊婦さんはこの時期ぐらいから逆子のトラブルなども起こってきます。一般的な鍼灸師は、トラブルが起こった原因を考えずに、慣習的に三陰交と至陰にお灸と鍼灸をしますが、本来は精神的な不安や、めまい、ふらつき、耳鳴りなどの症状が起こってきますので、それを踏まえた上で漢方だったり、施術を行います。
妊娠後期(9ヶ月〜10ヶ月)になってくると出産の準備になってきますが、このあたりから段々と、胎児が降りてこない方がいらっしゃいます。大体の原因は、精神的な不安によって胎児が降りてこないことが非常に多いですので、精神的な不安をとる漢方や施術を行います。
当院では、古典の考えをもとに患者様の症状に寄り添った治療を行なっております。
奈良県で鍼灸と漢方を理解した上で患者様に寄り添った治療を行なっているのは、当院だけです。
患者様のより良い治療院選びの参考になったら幸いです。