土用とは
**土用(どよう)**は、古代中国の五行思想に基づく概念で、日本でも季節の変わり目を指す特別な期間として伝わっています。土用は年に4回あり、それぞれ季節が移り変わる時期に対応しています。
土用の基本的な意味
五行思想では、万物は「木・火・土・金・水」の5つの要素で成り立つと考えられています。この中で「土」は、季節の変化を統括する要素とされ、次の季節へ移る準備期間として重要視されています。
具体的には、次のように分類されます:
季節 | 土用の期間 | 次の季節へ |
---|---|---|
春の土用 | 4月17日頃~5月5日頃 | 夏 |
夏の土用 | 7月19日頃~8月7日頃(有名) | 秋 |
秋の土用 | 10月20日頃~11月7日頃 | 冬 |
冬の土用 | 1月17日頃~2月3日頃 | 春 |
土用はそれぞれ約18日間続きます。
夏の土用の「土用の丑の日」
特に夏の土用中にある「丑の日(十二支のうちの丑に当たる日)」がよく知られています。この日は、うなぎを食べる習慣が有名です。これは暑さで疲労しやすい時期に、栄養価の高いうなぎを食べて夏を乗り切る知恵から生まれた風習とされています。
土用の禁忌と風習
土用の期間には、以下のような禁忌や行事が関連付けられています:
- 土を動かすことの禁忌
土用の期間は「土公神(どくじん)」という土の神が地上にいるとされ、この期間に土を掘る、建築工事を行うなどの土を動かす行為を避けるべきとされました。 - 健康管理
季節の変わり目は体調を崩しやすいため、栄養に気を付け、休息をしっかりとる習慣が生まれました。 - 「土用餅」や「土用卵」を食べる
体力を補うための食習慣として、餅や卵を食べる風習もあります。
現代での土用の捉え方
現在では、土用の文化は特に「夏の土用の丑の日」に集約される傾向があります。しかし、土用は全体として、自然と調和しながら体や生活を整える期間として捉えることができます。