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奈良県橿原市にある鍼灸院・接骨院

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急性期のコロナ症例

こんにちは、最近遠方の方からコロナ関連の問い合わせが多いので症例を書きたいと思います。

患者さんの年齢は40代女性で県外の方で、普段からご自身の体調管理で当院ご利用いただいている方です。

巷では、コロナに葛根湯と小柴胡湯加桔梗石膏を早期に改善すると記載しているところがあるんですが、漢方は体質によっては、誤治する可能性があるので注意が必要です。

LINEにて、12月2日の夜から頭痛が出て、朝起きたら片頭痛と首の張りがひどいと12月3日に相談を受けた。

この時点で、汗もかいていないということだった、特に裏証の症状も見受けられなかったので、傷寒論の太陽病の中の葛根湯の条文を参考に葛根湯を服用するよう指導した。

※葛根湯の条文

太陽病項背強几几無汗惡風葛根湯主之

※普段から生理不順や生理痛がある方は、葛根湯のような強い発汗剤は、逆に悪化する可能性がありますので、注意が必要です。

12月4日、葛根湯を服用して汗が出て肩こりは少しマシになったが、少陽経に頭痛が残っているとのことだったので、傷寒論の発汗後吐下後脈証と発汗後病を参考に柴胡桂枝湯を服用させて様子を見ることにした。

※発汗後病の条文が非常に勉強になります。

発汗多亡陽譫語者不可下與柴胡桂枝湯和其榮衛以通津液後自愈此一卷第十七篇凡三十一證前有詳說

簡単に訳を書くと汗を多くかいたことによって陽を滅ぼしてうわごとをいうものは下す治療はしてはいけませんよ。栄衛を和して津液を通るようにしてあげれば、自ら治りますよっという内容。

12月8日に連絡があり、一度は柴胡桂枝湯を服用してから頭痛の症状も良くなったのですが、3日前から高熱で、医療機関に連絡したところ、コロナ陽性と連絡がありました。3日間、漢方は服用していないとのことでした。

一旦調子が良くなって、また発熱するするのは、陰陽易差後勞復病のところに、小柴胡湯の記載がありますので、患者さんに2時間起きに1回服用するよう伝えてこの時の体温は、確か38度を超えていて、3回飲んだとこで、連絡してもらうようにお願いした。

この時点では、喉の痛みもあり起きるのもままなら状態だ

※漢方の条文

傷寒差己後更發熱者小柴胡湯主之脈浮者以汗解之脈沉實者以下解之

傷寒病は一旦治ったのにさらに、発熱するものは小柴胡湯がつかさどりますよ、脈が浮いたものは汗を持ってよくなるが、脈が沈んで実するものは、下してこれを治しなさい。

夕方患者さんから連絡があり、熱は37.6度に下がり、喉はかなり痛いとのことでしたが、少し布団から起きれるようになってきたとのことでした。

夜になってくれば、熱は上がってくるはずなので、小柴胡湯をまた2時間おきに服用するよう指導して、明日朝に連絡もらうようにお願いした。

次の日も同様の治療を行い、12月10日の朝に連絡があり、熱が平熱にっ下がったとのことでしたので、柴胡桂枝湯に変更した。

12月11日に状態を確認したところ、熱は下がったが、昼間もずっと寝ていたとのことでした。この時には、喉の痛みも、咳もだいぶおさまってきたとのことです。

もし明日、熱が上がってこなければ、小建中湯に変更するよう伝えた。

12月14日に体調の確認をしたところ、匂いが少し感じにくいところは、あるが特に後遺症がきつくないとのことでした。

とにかく、後遺症で大変ということもなく、思ったより早く改善してよかったです。

東洋医学の考え方の参考になったら幸いです。