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奈良県橿原市にある鍼灸院・接骨院

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耳鳴りの症例

こんにちはぐっさんです。

今日は、耳鳴りの症例を書きたいと思います。

患者の年齢は、60代女性

毎年4月中旬ぐらいから、ふらつきと吐き気が酷くなるり、普段から耳鳴りは止まらないとのことです。

その他の症状として、朝に手が浮腫、冷え性があり、胃腸が弱かったり、動悸がある。

患者ご自身は、内科や耳鼻科に受診されており、漢方は、半夏厚朴や西洋薬を処方されているが、一向に症状が変化しないと、当院に来院されました。

患者さんの私生活として、気になった点は、普段から2ℓ以上摂取されいる。

問診や水分摂取量などを考えて、身体の代謝以上に水分を飲まれているのではないかと考えた。

来院時期が春の土用の時期であることと、身体のだるさを考慮して、傷寒雑病論の傷寒論の太陽病中編を参考に真武湯を服用させたところ、ふらつきと吐き気がなくなり、小便の量が非常に増えたとのことです。

土用明けも、この処方を服用していると体調がいいとのことでしたが、ただ、耳鳴りの症状が残るとのことでした。

耳鳴りに関係する処方は、結構たくさんありますが、この方の体質として、水分代謝の原因によって症状が出ていることを考えられることから、金匱要略の痰飲欬嗽病を参考にすることにした。

痰飲欬嗽病のところで耳鳴りに関する処方は、沢瀉湯 と苓桂味甘湯の2処方が考えられる。

沢瀉湯の条文は「心下有支飲其人苦冒眩」に対して、苓桂味甘湯「靑龍湯下已多唾口燥寸脉尺脉微手足厥逆氣從少腹上衝胸咽手足痹其面翕然如醉状因復下流陰股小便難時復冒者與茯苓桂枝五味甘甘草湯治其氣衝」

沢瀉湯の条文の解説は必要ないと思うが、苓桂味甘湯はこれだけだとなかなかわかりにくので、少し解説すると、小青龍湯を飲んだ後に唾が多く、口が乾いて辛く、寸脈が沈んでしまい尺脈も微かになって手足の先から冷たくなって、気が下腹部よりのぼって、胸や喉の方にまで突き上げてきて、手足が冷たく痺れるようになり、顔が酒を飲んだかのように赤くなり、また上がった気が下に戻ってきて、陰股に下ったために、小便が出にくくなり、時々また気が上にのぼって頭がぼーっと何かがかぶったようになるものには、気のつき上げを治してやりなさい。

これらの条文を参考に、苓桂味甘湯を服用させたところ、1週間ほどで耳鳴りの症状がなくなったとのことでした。

東洋医学の考え方の参考になったら幸いです。

これより先を勉強されたい方は、苓桂○○湯が出ているところを勉強っされると非常によくわかると思います。苓桂〇〇湯は気や水の突き上げに対してよく使用されます。