無料ご相談・お問い合わせ ZOOMでご相談も可能

奈良県橿原市にある鍼灸院・接骨院

ブログ

生理時の疼くような腹痛の症例

患者の年齢は40代女性で、普段から生理不順があり、病院では、子宮内膜肥大症ではないかと言われています。

現在は、桂枝茯苓丸と当帰建中湯を服用されていますが、その前は、温経湯を服用しており、調子が良かったのですが、口内炎が頻繁に出るようになったために、呉茱萸(ごしゅゆ)で温めすぎた結果だと、考えて桂枝茯苓丸と当帰建中湯を普段に服用してもらっている。

生理前ぐらいから体調不良になることから、生理1週間前から小柴胡湯と桂枝茯苓丸に変更しています。

今回生理になって、胃もたれかんと、腹痛が強くあり、お腹全体に痛みが広がっているとのことです。

小柴胡湯を2日服用したが、全く効果がないとのことでしたので、もっと身体の中に熱があるのではないかと考えました。

この時、食欲も小便、大便にも問題ないとのことでした。本来であれば、婦人産後病の枳実尺薬散を使いたいところですが、そもそも、一般販売されていないものなので、少し考えて枳実と芍薬が入っているものを考えた。

参考までに

婦人産後病の条文は、産後腹痛煩滿不得臥枳實芍薬散主之

生理によって、陰気が不足するために血のめぐりが悪くなります。

中医学や他の流派の漢方だと、足し算傾向に近い処方が多いが、傷寒雑病論(古方)では、症状がきつければ、入ってくる生薬が少なくなるので、シャープに効果を発揮する。

枳実芍薬が入っている処方を考えると、太陽病中編の大柴胡湯と少陰病の四逆散になるが、生薬の量は大柴胡湯が圧倒的に多いので、四逆散を選択した。

この漢方を5日分服用して、だいぶ痛みは減ったとのことでした。

治療の考え方の参考になったら幸いです。