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奈良県橿原市にある鍼灸院・接骨院

右側の歯の上下の痛み

患者の年齢は、70代女性で、5年ほど前から右側の上下の痛みがあり、右側は歯を抜いているため、現在はありません。

既往歴には、7年前ぐらいに、乳がんの手術と抗がん剤をしていて、現在は完治しています。

現病歴として、狭心症と糖尿病、双極性障害などがあります。

歯茎の痛みの治療のために、西洋医学の病院や、漢方専門の大学病院の外来に通ったが一向に症状が変化がしないことから、当院に来院する結果となった。

現在までに、服用した漢方は抑肝散、立効散、四逆散、竜胆寫肝湯、加味逍遙散、当帰四逆加呉生姜湯、十全大補湯、コウジン末、八味地黄丸、三物黄芩湯などさまざまな漢方を服用したが全く効果がなかったとのことでした。

排膿散や四逆散などは、歯の痛みに使うこともできるが、効果がなかったということは、血に熱を持っていないことがわかる。

普段の水分は冷たいものを服用しており、頻繁にアイスクリームを食べているということでした。

歯の痛みが強くなると、狭心症も悪化してさらに、耳まで痛くなるとのことでしたので、普段から痛み止めを飲んでいるとのことです。

患者本人は、歯の痛みが強くなって悪化すると、狭心症の症状が出て何度も救急車で運ばれた経験を問診で言われていたので、原因として裏寒(胃の冷え)があるのではないかと考えられる。

胃が冷えていれば、冷たいものを食べないんじゃないかと考える人もいらっしゃいますが、胃が冷えてくると虚熱によって口の渇きが出てきてきます。

鍼灸師の方で、糖尿病=消渇病と思っている人も多いですが、実際違うことの方が多いので、原文を読んで確かめてみてくださいね。

今回は、胸痺心痛短気病と肩こりの症状もあることから、傷寒論下を参考に桂枝人参湯を服用させたところ、痛みは、綺麗に止まったとのことでした。

1日目は痛みなくなったが、2日目以降は痛みはないがそのかわり吐き気がすると訴えられましたので、漢方の服用量を2分の1量で様子を見たが、歯の痛みは止まるが吐き気の症状が変わらないとのことでしたので、原因は中に入っている、乾姜で胃を温かくしすぎたのではないかと考えた。

乾姜が入っていなくて、附子剤でどう変化するかを考えて、他の処方を試したところ、夜の痛みはなくなったが、日中の痛みは変化ないとのことでしたので、エキス剤の人参湯に変更したところ、だいぶ痛みが減っているとのことでした。

すぐに痛みをなくしてあげたいが、身体のベースが悪すぎると、正常な反応が出ないということがわかって、非常に勉強になりました。

東洋医学の考えが参考になったら幸いです。