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奈良県橿原市にある鍼灸院・接骨院

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妊婦さんって漢方飲んでも大丈夫?

こんにちは、ぐっさんです。

今日は、妊婦の痒みの症例を書きたいと思います。

患者の年齢は、40代女性で現在妊娠3ヶ月の妊婦です。

出産以前からご自身の体調管理のために、鍼灸と漢方を続けてらっしゃいます。

妊婦が漢方を飲んでも大丈夫なの?って思われる方も多いのですが、漢方の服用のルールを守っていればそんなに怖がる必要はありません。

このクライアントが普段、妊娠時に服用している漢方の名称は控えますが、妊娠初期時はどうしても、胎児に栄養を取られていきますので、皮膚の働きは低下しやすく、汗をかきやすかったり、寒気や吐き気(つわり)、鼻が詰まるような症状がある場合は、桂枝湯(金匱要略の婦人妊娠病)とお粥を服用しています。

妊娠2ヶ月の3週目ぐらいから、手と腕に痒みと吐き気が強いとのことでしたので、煎じ薬の柴胡桂枝湯を3分の1量を服用するよう指導して、次の日に連絡をもらうようにお願いした。

次の日にクライアントから連絡があり、痒みが止むことはなく、夜は痒みで寝れなかったとのことだったので、傷寒論(急性症)太陽病下の22条を参考にした。

22条の条文は、「傷寒五六日嘔而発熱者柴胡湯證仍在者復興柴胡湯此雖巳下之不𤔡逆必蒸蒸而振却發熱汗而解若心下滿而鞭痛者此爲結胸也大陷胸湯主之但滿而不痛者此𤔡柴胡不中興之宜半夏瀉心湯」

今回の症状は痒みと吐き気が特に強いとのことだったので、太陽病下の30条を参考に生姜瀉心湯煎じ薬を4分の1量を3回服用するよう指導した。

30条の条文は「傷寒汗出解之後胃中不和心下痞鞭乾噫食臭脅下有水氣腹中雷鳴下利者生薑瀉心湯主之」

次の日にクライアントから連絡があり、痒みと吐き気がだいぶ減り、夜もぐっすりと寝れたとのことでした。

基本的に古典(傷寒雑病論)を勉強する際は、婦人科疾患だけを勉強しがちですが、臨床をしっかりしようと考えるならば、古典の全文を把握する必要性があります。

少しでも多くの方に、古典治療の素晴らしさが伝われば幸いです。